ヤンバルクイナの独り言

マコリン

2013年12月16日 13:58

昨年一軒、今年も那覇市の歴史あるダンスホールが廃業になり、娯楽の多様化につれ、沖縄での社交ダンスは廃れていきつつあります。

県外にいくとテレビをつければ(沖縄では放映されていないです)、芸能人が真剣な表情で競技会に挑み、街を歩けば目に飛び込むダンス教室の看板、日本人に社交倶楽部の習慣はあまりないですが、出会いの場を求め、はたまた健康スポーツとしてシニア世代を中心に広がるブームがあります。ダンス愛好家同士が企画し、わずか数百円で参加できる社交ダンスパーティーが、一年を通じて日本各地で毎月何千件も開かれ、しかもその数が年々増え続けているようです。
以前のブームとの違いは、楽しむ層が広がったことです。増化するシニア世代が定年後の趣味や新しい出会いの場を求めブームを牽引する一方で、幼稚園から、小、中、高と熱心に練習に励む低年齢にも層が広がっています。現在、社交ダンス界は子供達の育成に力を注いでいます。無料または、おやつ代程度で習える教室は全国的に増え、シニア層中心にダンス人口の裾野が急速に広がりつつあります。出会いの場として根強い人気があるのに加え、音感と身体を鍛えるスポーツとしても捉えられるようになりました。始めたお陰で姿勢やよくなり身体が引き締まったという声を多数耳にするのは、その効果のあらわれです。
しかしながら、熟年層の離婚が増える今日に見られるように、ダンスの世界も同様な世相を表わしています。サークルも教室も、夫婦で一緒に参加する人はほとんど見かけないのです、夫もしくは妻だけというケースが多く、夫婦ともに社交ダンス愛好家でも教室は別々に通う現象が多く見られます。
ダンスは今(公民館サークル)も昔(ダンスホールでの社交)も新たな出会いの「場」なのです。
ちなみに那覇市のダンスホールが廃業に追い込まれた背景には、娯楽の多様化に付いていけなかった(サービスに似合わない料金、駐車場等が無い等)他、娯楽としてのダンスではなく、スポーツとして競技を極める方々が多くを占めるようになったのも原因ではなかったかと思います。

県外でのブームは、衰退している沖縄にも遅かれ早かれ、伝播して、またバブル時代の様な世相を彷彿させるのは間違いないでしょうが、ダンス愛好家としては棺桶に足を突っ込む前に早く来てもらいたいと願ってやみません。